治療途中に通院をやめてしまったという方は、歯の状態がどんどん悪くなっていく可能性が高いので注意が必要です。
抜かなくてもいい状態の歯だったのに、歯を抜かざるを得なくなくことすらあります。
「予約をキャンセルしてしまって気まずい」と思っていても、迷わず来院されることをお勧めします。
治療中断してしまったときに歯に何が起こるか
治療途中の状態と言っても様々な状態があります。
大きく分けると以下の2つのパターンに分けることができます。
- ① 治療すべき歯があるけれども、まだ手を付けていない場合
- ② 治療が進行中の場合
それぞれについて見ていきます。
治療すべき歯を放置していると、一般的に歯の状態は悪化していきます。
むし歯であれば、放置する事で神経を取る事態となってしまったり、さらに状態が悪いと抜歯する事になったりします。
治療が進むことにより症状が改善して、もう治ったかのように思えることがあります。
しかし、治療を中断してしまうと様々な弊害が出てきます。
・根管治療の途中
根管治療の途中であれば仮のふた(仮封)がされていることが多いです。
仮封は清掃した根管の中に異物や細菌が入り込まないようにするためのふたです。
この仮封は再度除去して治療の続きを行いやすいように、基本的にそれほど強度が高くないセメントが用いられます。そのため長期間仮封のままだと外れてしまう可能性が高いのです。
また仮封は外れていなくても1~2週間も経てばわずかながらも漏洩を起こすことが多いと言われています。そのため、長期間放置しているとせっかくきれいにした根管の中がどんどん汚れていくことになります。
・最終的な被せ物・詰め物がまだ入っていない
この場合は仮歯の時と仮封の時がありますが、どちらの場合も基本的に強度は高くないため、長期間放置していると外れてしまったり、割れてしまったりします。
外れたりしていなくても、仮歯や仮封には汚れが付きやすいため、清掃不良になりむし歯や歯周病が進行しやすいと言えます。
また、仮歯は歯との適合もそれほど良くないため、歯と仮歯の境界からむし歯が進行しやすいです。
歯の土台まで入っていれば、仮歯が装着されていないときもありますが、このときもリスクがあります。最終的な被せ物をされていない歯というのは、「象牙質」というむし歯になりやすい組織がむき出しになっている状態です。この状態のまま放置しているとむし歯になる危険性が高いため、早めに最終的な被せ物を被せる必要があります。
以上のように、治療途中の状態というのは、平常よりもむし歯や歯周病などが進行しやすい状態となっています。 取り返しのつかない状態にならないためにも、治療中断されている方はお早めにご来院ください。
また、すでに治療を終えてメインテナンスに入られている方についても、中断されている方はメインテナンスを再開されることをお勧めします。
むし歯や歯周病は初期状態ではほとんど自覚症状が無いものです。定期的にメインテナンスで受診することでむし歯や歯周病の早期発見につながるため、あまり期間が空かないうちにご来院ください。