訪問診療と往診の違い ~訪問歯科診療の重要性とは~

「訪問診療」や「往診」という言葉を耳にすることがあると思います。どちらも患者さんの住まいに行って診療をすることではあるので、「往診」を丁寧に言い換えた言葉が「訪問診療」と認識している方も多いのではないでしょうか。ところが、実際には若干の違いがあります。

目次

「往診」と「訪問診療」

「往診」・・・“急に歯が痛くなってきた“、”入れ歯が割れた”など、突発的に処置が必要となった際に要望に応じて診察に伺うという短期的な対応

「訪問診療」・・・治療プラン、ケアプランを元にして継続的に診察に伺うという中長期的な対応(初期段階では応急処置も行います)

つまり、「往診」は「訪問診療」というカテゴリーの中の「応急処置部門」というイメージになります。

突発的な問題が生じた時に「往診」だけで対応することも可能ですが、特に高齢で生理的能力の衰えた方にとっては「訪問診療」で継続的に対応をしていくことがとても重要です。

訪問歯科診療の重要性

・定期的な口腔ケアやリハビリにより誤嚥性肺炎の発症や再発をできるだけ防ぐ

・口腔内に問題が生じた時に速やかに対応できる

・摂食機能療法により食べたり飲み込んだりする機能(摂食嚥下機能)の低下を防ぐことができる

・口の機能低下を防ぐことでフレイルを予防する

ひとつひとつ掘り下げます。

 

・定期的な口腔ケアやリハビリにより誤嚥性肺炎の発症や再発をできるだけ防ぐ

加齢や病気の後遺症などでものを飲み込む力が衰えてくることがあります。歯磨きが不十分になりがちです。歯磨きが不十分だと口の中にプラークと呼ばれる細菌の塊が形成され、プラークが多く付着していると「誤嚥性肺炎」を引き起こしやすくなります。

「誤嚥性肺炎」とは口腔や咽頭の細菌が誤って肺に入ること生じる肺炎です。通常、食事や唾液は気道には入らず食道に流れていきますが、飲み込む機能(嚥下機能)が低下すると気道に入ってしまうことがあります。健康な方であれば肺炎を引き起こさない量の誤嚥であっても、免疫力が低下した高齢の方では肺炎を引き起こしてしまうことがあるのです。

そのため、定期的に口腔清掃をしてプラークを除去することで、口腔内を細菌の少ない清潔な状態に保ち、誤嚥性肺炎を防ぐことが重要となります。

 

・口腔内に問題が生じた時に速やかに対応できる

しばらく歯科医院に通院できない状態が続くと、いつの間にかむし歯や歯周病が進行していることがあります。むし歯や歯周病が重度になってしまう前に早期発見し治療できるというのは定期的に診察を行う訪問診療の大きなメリットの一つです。

 

・摂食機能療法により食べたり飲み込んだりする機能(摂食嚥下機能)の低下を防ぐことができる

年齢を重ねるごとに食べたり飲み込んだりする機能(摂食嚥下機能)が衰えていき、食事を摂りにくくなるということが生じます。摂食嚥下機能の低下が認められる方にはリハビリを行うことで摂食嚥下機能の維持・向上をすることができます。

 

・口の機能低下を防ぐことでフレイルを予防する

口の機能が低下すると摂取する栄養が少なくなりタンパク質の摂取が少なくなりがちになります。体を構成する栄養素であるタンパク質が少なくなると筋肉が減り、筋力が低下することで基礎代謝が落ち、食欲が落ちて摂取する栄養がさらに少なくなるという悪循環に陥ってしまいます。

この悪循環によりフレイル(身体的機能や認知機能の低下が見られる虚弱な状態のこと)が進行すると言われているため、フレイルが始まる入り口となる、口の機能を維持することが重要です

口の機能低下は各種検査で調べることができるため、現在の口の機能を知り、機能低下があれば、口のトレーニングを行うことで機能低下を改善することができます。

 

訪問歯科診療には以上のような重要な役割があるため、歯科医院に通うことができないけれど口の中は大丈夫だろうかと心配な方は訪問歯科診療を依頼してみてはいかがでしょうか。

 

よしざきファミリー歯科
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