歯周病は気付かないうちに静かに進行していくことが多い病気です。
今回は歯茎の構造をもとにどのように歯周病が進んでいくのかみていきます。
目次
歯茎の構造
歯茎は外側から歯肉、歯槽骨からなり、歯根膜を介して歯と接しています。
歯肉
一番表面にある軟らかい組織です。歯にプラークが付着している時間が長いと、この歯肉が炎症を起こし、歯周病が進行していきます。
歯槽骨
歯が植わっている骨のことで、歯を支えています。歯は骨に植わっているため、健常な状態であればがっちりしており動くことはほとんどありません。しかし、歯周病が進行して歯槽骨が溶けてなくなっていくと歯がぐらぐら揺れてきます。
歯根膜
歯と歯槽骨とをつなぐ組織です。歯に加わる衝撃を和らげるクッションのような役割も果たします。強い歯ぎしりをする方はこの歯根膜に炎症を起こし痛みが出ることもあります。
歯周病はどのように進行するのか
①正常→歯肉炎
歯にプラークが付着した状態が続くと、プラークに含まれる細菌の毒素によって歯肉が炎症を起こします。この状態を歯肉炎といいます。この時点では炎症を起こしているのは歯肉だけであり、歯槽骨は正常です。
②歯肉炎→歯周炎
歯にプラークが付着した状態が長く続き、歯肉炎の状態が継続すると、次第に歯を支える歯槽骨が炎症で破壊されてきます(骨吸収)。この骨吸収がみられる状態を歯周炎と言います。
歯肉炎と歯周炎は名前が似ていますが、このような違いがあるのです。
いずれも原因となるのは歯に付着したプラークであり、このプラークを普段の歯みがきで除去するのが重要になります。
歯周検査が大切な理由
歯茎に炎症があるかどうかは歯肉が腫れているかどうかをみればある程度分かりますが、歯を支える歯槽骨が吸収を起こしているかどうかは見るだけでははっきり分かりません。
そこで重要になってくるのが歯周検査です。
歯と歯肉との間にはポケットとよばれる溝があり、健常な状態であればポケットの深さは3mm以内になるといわれています。歯肉炎の時点ではこのポケットは3mm以内に収まることが多いですが、歯槽骨が吸収してしまい歯周炎の状態になるとこのポケットは4mm以上になるといわれています。
歯科医院ではプローベと呼ばれる細い棒を用いてこの歯周ポケットの深さを計測することで、歯周病の進行具合を確認することができます。
歯周病は見た目では分かりにくく、症状も出ないことが多いです。しばらく歯医者に行っていないという方はぜひ歯周検査を受けてみましょう。
よしざきファミリー歯科
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