「誤嚥性肺炎」という言葉は聞いたことがあるでしょうか?医療従事者であれば誰もが知っているはずですが、一般の方にはなじみがないかもしれません。
厚生労働省から発表されている2021年の人口動態統計に日本人の死因が記載されていますが、その中で「誤嚥性肺炎」は第6位でした。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai21/dl/gaikyouR3.pdf
今回は「誤嚥性肺炎」について解説します。
目次
誤嚥性肺炎とは
「誤嚥性肺炎」とは、誤嚥することによって発生する肺炎のことです。
正常な嚥下では口の中の食べ物や飲み物、唾液などは食道に入っていきますが、それが誤って気道に入ってしまうことを「誤嚥」といいます。
高齢者では飲み込む機能(嚥下機能)が低下していくことが多く、それにより誤嚥が発生しやすくなります。肺炎で入院を要した80代以上の高齢者の多くは誤嚥性肺炎であったとの報告もあるようです。
誤嚥性肺炎の原因とは
誤嚥性肺炎は食べ物や唾液とともに細菌が気道内に入り込み、その細菌が肺炎を起こします。細菌はどこにいるのかというと、多くは口の中に存在しています。
誤嚥性肺炎の原因は、多くが口の中の細菌なのです。
誤嚥性肺炎を防ぐには
誤嚥性肺炎を防ぐには、①細菌が入り込まないようにする②細菌を減らす③細菌への抵抗力をつける
の3つが重要になります。
①細菌が入り込まないようにする
すなわち誤嚥しないようにするということですが、誤嚥しないようにするためには嚥下機能を高めることと、気道に入った時に吐き出す能力が重要です。
嚥下機能を高めるには嚥下訓練を行うのが有効です。普段の食事も嚥下機能を維持する上で重要になります。
気道に入った時に吐き出す能力は深呼吸や咳払いなどで鍛えることはできますが、日常生活で話をしたり、歌を歌ったりすることも有効です。
②細菌を減らす
誤嚥してしまっても、入り込む細菌の数が少なければ、肺炎の発生リスクを下げることができます。細菌の多くは口の中にいますので、普段の歯みがきを徹底して行うことで、口の中の細菌数を減らすことが可能です。
③細菌への抵抗力をつける
細菌が肺にまで入り込んでしまっても、細菌に対する抵抗力があれば、肺炎の発症を防ぐことができます。十分な栄養を摂取して、十分な睡眠をとり、運動をするなど生活習慣を整えることで、細菌に対する抵抗力をつけることができます。
以上、誤嚥性肺炎について解説しました。
当院では、歯科医院への通院が難しい方に訪問歯科診療を行っており、誤嚥を減らすための摂食機能療法や、口腔内の細菌を減らすための口腔ケアを実施しています。
誤嚥性肺炎になると入院が必要になり、命の危険があるだけでなく高額な治療費が必要になります。誤嚥性肺炎を防ぐためにも訪問歯科診療をご検討ください。
よしざきファミリー歯科
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